新型コロナと海外旅行 想定外の出費を避けるには

新型コロナ感染拡大が一段落し、世界的なパンデミックが宣言されて以来控えていた海外渡航を再開する人も、今後増えてくると思われます。そこで注意しなければならないのは、国によって異なる、感染防止対策です。

たとえばタイに渡航する場合、タイの入国の規則は非常に厳しく、入国しようとする外国人は、Covid-19の検査結果が陰性でも、自己資金で14日間の隔離をしなければなりません。また、タイの空港や港では、健康状態の審査があり、Covid-19の検査で陽性が出た場合、無症状であっても入院を強制されます。この入院費は自己負担です。しかも、このような入院は、「医学的に必要な治療」とはみなされないため、海外旅行保険では通常カバーしません。

海外旅行保険を提供する保険会社が定めている「医学的に必要な治療」の一般的な定義は下記のとおりです:

病気や怪我の診断や治療のために必要な医療サービス、医薬品、または医療用品であり、現代の医療行為として一般的に承認されていると保険会社が判断するもの。便宜、便益のためだけに提供される医療サービス、医薬品、医療用品や、特定の病気や症状を治療するために適当ではないもの、あるいは、病気や怪我の診断や治療を安全、適切に提供するために必要な範囲、期間、レベルを超えるものは、医学的に必要とはみなされない。

新型コロナの検査費用についても同様で、旅行中にコロナの症状を発症し、医師が必要と判断した場合の検査は、新型コロナをカバーする海外旅行保険に加入していれば通常カバーしますが、それ以外の場合、たとえば、出入国時に空港で受ける検査や、海外渡航の条件として受けなければならない検査、航空会社が強制する検査、劇場や特定の施設などに入場するために強制される検査などは、医学的に必要ではないため、カバーしないのが普通です。

海外での予想外の出費を避けるために、海外旅行をされる際には、事前に、渡航先国の、COVID-19対策の内容、特に、出発前、到着後、国内移動時の検査や隔離の規則についてよく調べて対処されることをお勧めします。